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Raed in the Japanese Language; originally Raed in the Middle
Saturday, June 26, 2004
 
2004年6月25日(金)の記事
http://raedinthemiddle.blogspot.com/
Friday, June 25, 2004

僕がイラク政府と呼ぶべきである例の「アレ」が,1週間も経たないうちにブッシュの祝福を受けることになっている・・・
6月30日はブッシュ政権によって「その日」としてマーケティングされている。イラク人が「自由」を手にし,アラビア語の言い方をすると,銀の皿に載せたできたての自由を得る日。古代の部族のいくつかが怪しげな儀式をし,10代の人たちの身体に刺青をして成人となったことを宣言するのとそっくりな手続き。

僕たちの自由を宣言するには,もう少し必要なんじゃないのか?

何人かの指名されたイラク人雇われ人(警備担当者,警察官,大臣,大統領)に,ちっぽけでおもしろくもない行政上の責任を移譲することが,イラク人のために何ひとつとして変えることはない。本当の権限と政策決定者は,グリーン・ゾーンを囲むフェンスの外に出ることはない。彼らは7月1日の早朝に誰かを派遣して,グリーン・ゾーンの外にある,銃痕だらけの小さな汚い「CPA」の旗を取り外して,もっと小さな「在バグダード米国大使館」の旗に取り替えさせる。残念ながら,この大使館(embassy)がほんとの政府になる。大使館(embushy)は,国中に配置される「代表部」を通じて,イラクを統治する。

僕の言ってることがおおげさだと思うなら,どうかアンマンの米国大使館を見に来てください。誰がこの国を統治しているのかを確認してください。

権限移譲なんて,ちっぽけなどうしようもないお芝居で,僕たちはそんなものでほんとに起きていることから目を逸らしちゃったらいけない。昨年ネオコンがイラクを攻撃したとき,彼らは自分たちのことを解放者だと言った。だからイラクの人々の大半とアメリカの人々の一部が彼らのことを信用した。彼らの言ってることをほんとだと思った。でも僕たち両方とも,イラク人もアメリカ人も,イラクにその自由を戻すために真剣に何かしなければならないときが来ている。イラクに恒久的な軍事基地を建設することを阻止するために,イラクをアメリカの政治的・経済的コントロールのもとに置いておくためのこの植民地支配的戦略を変えるために。

米軍はイラクに6つの恒久的軍事基地を建設している。3つがバグダードを取り囲み,南部と東部と北部に1つづつ。バグダードを取り囲んでいる3つは,まず,かつてイラク軍の基地と空港だったアル=ハバーニャ(Al-Habbanyya)でハバニア(Habbania)人工湖の近く。2つ目はバグダード南東にあるアル=ラシード基地(Ar-Rasheed base),3つ目はバグダード北のアッタジ基地(At-Taji base)で,これはイラク最大の基地,見た目はまるで小さな町だ。ほかの3つの基地は,(南部)ナシリヤ近郊のアリー基地,ファルージャの北のアル=ワリド基地(Al-Walid base),そしてモスルにもう1つ。これらの6つの基地は,新しいイラクの身体にできた癌だ。

今月末に起きることについて,僕には明確な立場がある。国家を信じる宗教的世俗主義者として,僕は,今月末のブッシュ政権の前進は,イラクで起きていることの現実について,この世界をもっと混乱させる政治的トリック以上の何ものでもないと思う。イラク人とイラク人の紛争や衝突と見えるもの――実際にはイラクとアメリカの紛争や衝突なのだけど,アメリカ人はイラク人のかげに隠れてる――が,(権限移譲を期に)また新たに始まるだろう。

そして同時に,イラクのハリウッド,つまりサダムの裁判を始めるといったことで,本当に起きていることから目を逸らそうとするだろう。

ホワイトハウスを占領している右翼的で保守的な政権は,悪意を抱いてイラクにやってきた。だから,彼らの解決策や決定を修正しようとしたり議論しようとしたりしても,時間の無駄。

イラク人もアメリカ人も,僕たちはどちらも,イラクとアメリカの(そしておそらくアラブとアメリカの)ズタボロの関係の再建を始めるために,今の政権とは違った考えを持つ別の政権を必要としている。

Posted by: Raed Jarrar / 3:19 AM

*訳注:
手元の地図を見ると,ファルージャの西,ラマディとの間にハバニヤ湖があり,そこには空港マークが書かれている。あとでもうちょっと調べてみたいと思います。

「ファルージャの北の米軍基地」については,『ファルージャ 2004年4月』にも,ムジャヒディーンが米軍基地を攻撃して米軍側に600人の死者が出たと,おそらく地元の人が語っているくだりがある(124ページ)。

また,OpenDemocracy に2004年4月23日に投稿された記事に,次のような一節がある。
several news agencies reported a leak from the Pentagon that 130 American troops had been killed at the American Base in Ar-Ramani near Falluja (although this was shaved down by an ‘official’ statement a few hours later to 11 dead)


*translated by nofrills, 26 June 2004

Wednesday, June 23, 2004
 
2004年6月23日(水)の記事
http://raedinthemiddle.blogspot.com/
Wednesday, June 23, 2004

首が切られるのを見て,僕は本当に情けなく思う,かんべんしてくれという気分になる。首が切り落とされるたびに,僕たち世俗主義者がいかに孤立した存在か,周縁に追いやられた存在かが示される。

イラクが占領されて以降のこの怒りの感情が,すべて,ますます無責任かつ暴力的になる反応として表されている。だけど僕たちは誰の責任だといって責めればいいんだろう?

だいたい,この斬首ブームはいつ始まったのか?

イラク占領が始まる前に斬首があったなんて,聞いたことある人います? (イラク国内で行われる)あの幼稚な右派のテロが始まる前に?

首を切り落としている怪物たちをつくり出したのは誰なのか,あなたは本音でどう思いますか?

こないだ,フランスの友人たちとモヒート【Mojito: これ】を飲みながら,超大国として行動しているアホでマヌケな政権について,僕の考えを話したんだけど・・・ま,政治について話をする方が,NGOの活動がどうのこうのとか治安に不安があるとかいった愚痴を聞いてるよりまし,ってことで。

超大国としてのアメリカにとって,本当の戦争は,いわゆる「冷戦」の時代にあったものだ。アメリカの政策決定者がビン=ラディンという名前の小さな怪物をつくり出して,当時のソ連に対する戦線をまたひとつ開こうとした。それはちょうど,イスラエルの政策決定者が,1980年代に,PLOの組織にまたひとつ亀裂を生じさせるためにハマスを作ったこと,あるいは少なくともそれを促進したことと似ている。

任務が終わったビン=ラディンは,反抗的になって,ご主人さま,つまりアンクル・サムに噛みつく計画を立て始めた。

何だかんだ書いてますが,僕はアメリカの政策決定者を責めてるわけじゃない。ふつうに頭を使ったやり方だと思う。もし自分が彼らの立場だったら同じ戦略をとっていたんじゃないかと思います。(幸いなことに僕はそんな立場ではない。)

ここで僕が言いたいのは,アメリカの政策決定者ですらブッシュ政権ほどにアホでマヌケな政権ができるとは予想していなかったし,対テロ戦争なんてのは,国際的に右派をサポートする戦争以外の何ものでもないっていうこと。

つまり・・・ローマ帝国のようにやりたいんだったら,少なくともちゃんとやってください,ということ。

中間にいる人,そして左にいる人は,現場的にはどうでもいいってことになってる・・・僕たちはブッシュとビン=ラディンの時代に生きている。爆撃と斬首の時代に。傲慢な人種戦争,誰もが何百年も前に終わったと思っていた人種戦争の時代に。

戦車やミサイルを使った対テロ戦争が何かを達成するとは,僕には思えなかったし,今でも思えない。

事態を悪くしただけ,東と西の関係をよりいっそうややこしくしただけだ。

サドルのような宗教者を攻撃することが正解だとも思えない。サドルは反撃できる力を持っているし,それにサドルは国家的英雄になりそうだ。実際そうなってる。サドルは,アメリカ軍を敗退させた後で(サドルは降伏してないし,自分の軍隊もまだ持ってる),次の選挙に出馬する予定の国家的英雄だ。

前にも書いたことあるけど,自分の手で直接地獄へ送るのでもない限りは,他人に地獄へ行けなんて言うな。

僕たちが得るものは何か?
僕たち,アメリカ人とアラブ人が,対テロ戦争の年月の後にで手にしたものは何か?

何千という死体と,ふくらんだ憎悪。

僕たちイラク人が,占領と破壊の月日の後に手にしたものは何か?
アホでマヌケな,(選挙でなく)指名された政府? で,首相にはCIA工作員,大統領には1部族の1首長(シャイフ)?

僕たちの太ったシャイフは会議で英語を話す・・・
ああ偉大な大統領・・・
頼むから彼に,あなたはアラブの国家であるイラクの大統領なのだと言ってやってください。たとえ彼に給料を出しているのがあれ・・・ブレマーであるにしても。

このコメディーのお芝居はいったいいつ終わるんだろう。
僕にはおもしろくも何ともない。

Posted by: Raed Jarrar / 12:19 AM
*translated by nofrills, 23 June 2004

Tuesday, June 22, 2004
 
*translator's note*
A book called Fallujah, April 2004, has just come out (in Japan and in the Japanese language). It's made of several writings by Mr Rahul Mahajan, Mr Dahr Jamail and Ms Jo Wilding, who WAS in Fallujah in April. I did some translation and other editorial things. For more details, please take a look at my webpage (in Japanese only). Purchase thru this page will create a bit of donation to an NGO. Cheers.

*日本語化担当者よりお知らせ*
現代企画室さんから,益岡賢さんとの共訳で『ファルージャ 2004年4月』という本が出ました。今日か明日くらいには書店に並び始めると思います。

4月の包囲攻撃の最中に現地に入った英米人3人(ラフール・マハジャン,ダール・ジャマイル,ジョー・ワイルディングの各氏)の手記を集めて独自に編集して1冊の本にしたものです。(私は主に翻訳の作業と注の執筆で携わっています。)

価格は1500円(+税)です。詳細な内容(目次など)や表紙画像は下記URLでご確認ください。
http://homepage2.nifty.com/nofrills/pub/falluja.html

なお,この↑ページからオンライン書店にご注文いただけますと,アソシエイト/アフィリエイトのコミッション(5%)が私に入ります。この本の売上については他の本とは別個に計算し、医療支援活動などに携わっておられるNGOに寄付したいと考えています。1冊あたり75円と,決して大きな金額ではありませんが,ほんの少しでも直接的に役に立てる方法があるのならと思っています。

何卒よろしくお願い申し上げます。

nofrills(いけだよしこ)拝


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